オーダースーツの基本知識

スーツは約30のパーツから成り立っています。それぞれのパーツには名称があり、意味もあり、目的があります。オーダースーツは、基本的にはそうした1つ1つのパーツのアレンジが可能です。スーツのパーツを知ることは、自分流のこだわりスーツを作り上げ行く際に大切なことです。

・カラー
テーラードカラーの上衿(うわえり)を指します。チェスターフィールドなどの礼服用コートでは、この上衿に黒のベルベット地をあしらってフォーマル仕様とします。

・ゴージ
カラーとラペルの境目にある縫い線を指します。この線を指して「ゴージライン高め、低め」と表現し、その高さは時流やスタイルなどを反映します。

・フラワーホール
ラペルにあるボタンホール。ラペル穴とも呼ばれ、元々は風よけとして衿を立てた時にボタンホールとして実際に使用されていました。現在は、ここに花やラペルピンなどを挿します。

・胸ポケット
胸ポケットのデザインには、直線的な箱型ポケットや、クラシコイタリアの象徴的なディテールとされる「バルカ(舟型)ポケット」などがあります。

・フロントカット
フロントカットの種類には、主に前裾を大きくカットした「カッタウェイカット」、丸くカットした「ラウンドカット」、ダブルスーツなどに用いられる「スウェアカット」などがあります。

・フロントダーツ
スーツの両前身頃にある縫い線のこと。胸から腰にかけて縫われたフロントダーツは、スーツをより立体的に見せ、ウエストに美しいシェイプを作り上げます。アメトラスタイルはノーダーツが基本です。

・腰ポケット
脇ポケット、サイドポケットとも呼ばれ、ポケットについたフラップ(雨蓋)は、フォーマル時の正規な繕いとして、室内では中にしまい込み、屋外では外に出すものとされています。これ、私は知りませんでした。常に外に出しておくのが正解だとずっと思っていました。よくポケットを利用した際に、フラップが中に入り込んでしまっていることがありますが、中に入れておいて正解ということがあるのですね〜。

・袖ボタン
切羽とも呼ばれ、実際に開閉できる仕様を「本切羽」、縫い付けてある仕様を「仮切羽」と呼びます。ボタン数も1,2,3,4など様々です。重ね付けしたボタンの仕様を「キットボタン」と呼びます。

・ベント
その種類には、乗馬に対応したとされる「センターベント」、サーベルを吊るのに対応したとされる「サイドベンツ」、鉤型に切り込んだアメトラ(アメリカン・トラッド)仕様の「センターフックベント」などがあります。